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ISO14001用語集

投稿日:2025年9月17日  最終更新日:2025年9月17日

ISO 14001は環境マネジメントシステム(EMS)に関する国際規格です。本ページは実務・審査対応・教育用途に向け、100語以上の関連用語をカテゴリ別に簡潔定義でまとめています。

基本概念と原則

ISO 14001

環境マネジメントシステムの要求事項を定めた国際規格。

環境マネジメントシステム(EMS)

環境方針を実現しパフォーマンスを改善する組織的仕組み。

環境方針

環境保全に関する組織の基本的方向性と意図を示す声明。

PDCAサイクル

計画→実行→評価→改善を回して継続的改善を図る枠組み。

持続可能性(サステナビリティ)

将来世代のニーズを損なわず現在のニーズを満たす考え方。

組織の状況

内部・外部課題および利害関係者の期待を把握すること。

リスクと機会

望ましくない影響を減らし望ましい結果を増やすための検討事項。

環境パフォーマンス

環境目標の達成度や環境保全の成果を示す総称。

環境側面と影響

環境側面

活動・製品・サービスが環境に与える要素(入力/出力)。

直接的環境側面

組織が直接管理できる側面(例:排水、燃料使用)。

間接的環境側面

サプライチェーンや使用・廃棄段階などの影響要因。

環境影響

環境側面により環境へ生じる正負の変化。

著しい環境側面

評価の結果、重大な影響をもたらすと判断された側面。

環境影響評価

影響の重要度を基準で評価し優先管理対象を特定する活動。

環境レビュー

EMS導入・更新時に現状を体系的に把握する初期評価。

環境配慮設計

設計段階で環境影響を最小化するための方策。

大気関連

温室効果ガス(GHG)

地球温暖化に寄与する気体の総称(CO₂、CH₄等)。

二酸化炭素(CO₂)

エネルギー起源排出の主要GHGで削減の中心指標。

メタン(CH₄)

CO₂より温暖化影響が大きいGHGで漏えい管理が重要。

一酸化二窒素(N₂O)

燃焼や農業で発生する強力なGHG。

硫黄酸化物(SOx)

燃料中硫黄由来の大気汚染物質で酸性雨の原因。

窒素酸化物(NOx)

燃焼に起因する大気汚染物質で光化学スモッグ要因。

揮発性有機化合物(VOC)

溶剤等から揮発し大気汚染や臭気の原因となる化合物。

水関連

排水

事業活動から排出される水で水質基準の管理対象。

生物化学的酸素要求量(BOD)

有機物汚濁の指標で下水負荷の目安。

化学的酸素要求量(COD)

酸化剤で測る汚濁の指標で水域負荷管理に用いる。

全窒素(T-N)

富栄養化の指標で排水規制項目の一つ。

全りん(T-P)

富栄養化の要因で水質保全の重要指標。

pH

水素イオン濃度指標で生態・設備保護の管理項目。

水リスク

水資源の量・質・アクセスに関する事業への影響。

土壌・廃棄物

産業廃棄物

事業活動に伴う法定区分の廃棄物で適正処理が必要。

特別管理産業廃棄物

有害性・爆発性等が高い廃棄物で厳格管理対象。

一般廃棄物

事業所から排出されるが自治体処理体系の対象となる廃棄物。

埋立処分

最終処分場で行う処理で前段の減量化が重要。

リデュース(Reduce)

廃棄物発生を源流で削減する取り組み。

リユース(Reuse)

再使用により資源投入と廃棄を抑える活動。

リサイクル(Recycle)

資源として再生利用し循環を高める活動。

土壌汚染

有害物質の土壌残留による環境・健康リスク。

エネルギー・資源

エネルギー原単位

生産量当たりのエネルギー使用量を示す指標。

電力使用量

電力消費の実績値で省エネ管理の基礎データ。

再生可能エネルギー

太陽光・風力等の持続可能なエネルギー源。

省エネ対策

効率改善や設備更新でエネルギー使用を削減する施策。

燃料転換

高炭素燃料から低炭素燃料へ切替えて排出を削減。

需要家側管理(DSM)

需要側での省エネ・ピークカットの取り組み。

資源効率

投入資源に対する有用アウトプットの効率性。

化学物質管理

SDS(安全データシート)

化学品の危険有害性と取扱い情報をまとめた文書。

PRTR

特定化学物質の環境排出・移動量を把握・公表する制度。

RoHS

電気電子機器における特定有害物質使用制限指令。

REACH

EUの化学物質登録・評価・認可・制限に関する規則。

MSDS管理

旧称含めSDSの配布・保管・教育・更新を行う管理。

有機溶剤管理

揮発・暴露・火災リスクを抑えるための管理手順。

化審法対応

化学物質審査規制法に基づく届出・管理の実施。

代替物質評価

有害物質を低リスクな代替品に置換する検討。

ライフサイクル・製品

ライフサイクル視点

原材料調達から廃棄まで全段階の影響を考慮。

LCA(ライフサイクルアセスメント)

製品・サービス全体の環境負荷を定量評価する手法。

カーボンフットプリント(CFP)

製品単位のGHG排出量を算定・表示する取り組み。

水フットプリント

製品・組織の水使用・影響を定量化した指標。

エコデザイン

設計で資源効率・リサイクル性・省エネを高める手法。

環境ラベル(タイプI・II・III)

第三者認証・自己宣言・EPD等の環境情報表示。

責任ある調達

環境・社会に配慮した基準でのサプライヤ選定。

法規・順守

順守義務

法令・規制・契約・自主基準など遵守すべき要求事項。

環境基本法

日本の環境政策の基本枠組みを定める法律。

大気汚染防止法

ばい煙・VOC・有害物質排出を規制する法律。

水質汚濁防止法

公共用水域・地下水の汚濁防止を定めた法律。

廃棄物処理法

廃棄物の適正処理・委託管理等を規定する法律。

騒音規制法

事業場・工事騒音の規制基準を定める法律。

悪臭防止法

悪臭物質濃度の規制や苦情対応を定める法律。

土壌汚染対策法

有害物質による土壌汚染の調査・措置を規定。

化審法

化学物質の審査・規制に関する法律。

フロン排出抑制法

冷媒フロンの管理・漏えい対策を求める法律。

グリーン購入法

環境物品等の調達を推進する法律。

環境アセスメント法

事業計画段階での環境影響評価を義務付ける法律。

運用管理

運用管理手順

重要プロセスを統制し逸脱を防ぐための手順書。

変更管理

工程・設備・原料変更時の環境影響を評価・統制。

外部委託管理

委託先の環境パフォーマンスを含め適切に統制すること。

設備保全

リーク・異常排出を防ぐための点検・保守活動。

保管・物流管理

化学品や廃棄物の安全保管・出荷・輸送統制。

標識・表示

法規やリスクに応じた注意喚起・ラベリング。

緊急事態手順

事故時の初動・通報・封じ込め・復旧手順。

教育・訓練

役割に応じた知識・技能を付与し力量を確保。

指標・パフォーマンス

KPI(主要業績評価指標)

戦略に沿った定量指標で目標管理に用いる。

原単位

アウトプット当たりの環境負荷量で効率を示す。</p >

廃棄物発生量

総量・種類別に把握し削減策の基礎とする。

リサイクル率

発生量に対する再資源化の比率。

エネルギー消費量

電力・燃料等の使用実績で省エネの成果を測る。

GHG排出量

スコープ1/2/3別に算定・管理する排出量。

水使用量

取水・再利用・排水量を含む水管理の指標。

環境監視計画

測定項目・頻度・責任を定めたモニタリング計画。

リスク・緊急

環境リスク

環境影響が顕在化する可能性と結果の組合せ。

ハザード特定

潜在的な危険源・脆弱性を洗い出す活動。

リスク評価

発生可能性×影響でリスクレベルを判定。

油漏えい対策

防油堤・吸着材・遮断弁等で拡散を防止。

化学物質漏洩対応

PPE・封じ込め・中和・回収の手順を整備。

自然災害対策

水害・地震等による環境事故を想定した備え。

事業継続計画(BCP)

有事でも環境順守と操業継続を両立する計画。

復旧計画

事故後の環境復旧・再発防止までの計画。

監査・審査

内部監査

EMSの適合性・有効性を内部で評価する活動。

監査基準

規格要求・手順・法規など評価の拠り所。

監査証拠

結論を裏付ける記録・観察・インタビュー結果。

不適合(監査)

要求からの逸脱で是正が必要な事項。

軽微不適合

限定的な逸脱で体系的欠陥ではない指摘。

重大不適合

システム機能不全や重大リスクに直結する逸脱。

観察事項(OFI)

改善機会として提起される参考指摘。

外部審査(認証)

第三者が適合性を審査し登録の可否を判定。

マネジメントレビュー

経営層がEMSの妥当性・有効性を評価する会議。

文書化・記録

文書化された情報

EMSの運用根拠となる文書・記録の総称。

版管理

改訂履歴・承認・配布統制で最新性を確保。

記録保持

保存期間・保管方法・廃棄ルールの管理。

適用範囲

EMSの対象となる事業・拠点・活動の境界定義。

手順書

重要プロセスの標準的手順を定めた文書。

緊急対応計画書

事故時の役割・手順・連絡先を定めた文書。

関連規格・枠組み

ISO 14004

EMS導入・運用の一般指針を示す規格。

ISO 14005

段階的EMS導入のためのガイダンス。

ISO 14006

エコデザインをEMSに統合するための指針。

ISO 14020シリーズ

環境ラベル・宣言に関する規格群。

ISO 14031

環境パフォーマンス評価(EPE)の指針。

ISO 14040/44

LCAの原則・枠組みと要求事項/指針。

ISO 14046

水フットプリント評価の原則と指針。

ISO 14064

組織・プロジェクトのGHG算定・報告・検証。

ISO 14067

製品カーボンフットプリント(CFP)の規格。

ISO 50001

エネルギーマネジメントシステムの要求事項。

文化・組織

環境文化

環境最優先の価値観・行動様式が根付いた状態。

利害関係者

組織の環境活動に影響を与える/受ける当事者。

コミュニケーション

内外の関係者へ適切に環境情報を伝える活動。

力量(コンピテンシー)

役割遂行に必要な知識・技能・経験の水準。

目標展開(キャスケーディング)

上位環境目標を部門・個人へ整合展開する仕組み。

インセンティブと表彰

環境成果に対する動機づけ・評価の仕組み。


※本用語集は教育・理解促進のための要約定義です。実務運用や審査対応では、最新の規格原文・関連法規・技術基準を必ず参照してください。

 

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